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第359回:10年物米国債利回り4.4%を突破するたび和平合意漏洩?

第359回:10年物米国債利回り4.4%を突破するたび和平合意漏洩?

米30年債利回りが、一時5.19%とリーマン危機以前の2007年7月の水準に上昇

2026年5月21日日経新聞に『米30年債利回り、19年ぶり高水準~一時5.19%インフレ・財政リスク警戒、ファンド取引解消も一因』を報じている。

『米長期金利が急激に上昇している。30年物国債の利回りは19日、一時5.19%とリーマン危機以前の2007年7月以来の水準まで上昇(債券価格は下落)した。インフレや米財政リスクの警戒に加え、ヘッジファンドの取引解消などで国債売りが加速する。投資家からは「当面米国債は買えない」との声が上がる。 30年債の利回りは前日比0.07%上昇して5.19%まで上昇した。米国債の指標となる10年物国債の利回りは0.1%上昇の一時4.69%と25年1月以来の高水準となった。金利上昇の一因はインフレだ。イラン紛争によるエネルギー高で3月の米個人消費支出(PCE)物価が大きく上昇するなど、インフレ加速への懸念が高まっている。(途中略)

長期債や超長期債の利回りは当面上昇するとの見方は多い。米大手銀バンクオブアメリカ(BofA)がまとめた5月の世界の機関投資家調査によると、今後12ヵ月間に30年債の利回りが6%を上回るとの回答は全体の62%に達した。利回りが4%以下に低下するとの回答は20%にとどまった。(途中略)

米国債利回りの急激な上昇は株式相場の下押し圧力になる。S&P500の株式益利回りは12ヵ月先予想ベースで4.6%と、30年債(5.1%)を下回り、その差分(0.5%)は02年以来の大きさとなる。国債と比べた株式の割高感が強まっていることを示す。』

本当か否かは別にして、「米イラン終結向け基本合意か」の報道を受け、25日のWTI原油価格は90ドルまで急落し、米10年債利回りは4.485%に急落している。イラン戦争は始まった3月以降、10年物米国債利回りが「4.4%」を突破するたびに、米イラン間の新たな和平合意が漏洩されてきた。今回を含めると5回目になる。ベッセントが来日したのも日本発でのマーケット混乱を防ぎ、米金利を守る目的も大きいのだろう。 日本が為替介入で米国債を売れば、米長期金利に上昇圧力がかかり、アメリカとしては、為替の混乱が債券市場に波及するのは避けたいからである。 ベッセントが来日することで円売りを仕掛ける投機筋に心理的な圧力をかける。 そして、日銀に利上げを促すメッセージ効果もあるだろう。

つまり、今回も「米イラン間の新たな和平合意」というよりも、米金利の引き下げが本当の目的だったのではないか。実際、ある外国人がSNSで今回の一連のトランプ大統領の発言を時系列で並べてくれている。参考までにご紹介する。

この48時間の間、トランプ氏側とイラン側で言うことが違うしコロコロ変わって混乱するから、ちょっと時系列で整理しました。(すべてアメリカ東部時間)

1)トランプ大統領がSNSで「イランとの平和覚書は大部分が交渉済みで最終段階にあり、間もなく発表される」と電撃投稿(23日午後2時すぎ)

2)トランプ氏が米メディアに「合意の確率は 50/50。日曜日までに決断する」「核武装阻止を含む全てを勝ち取る」と発言(23日午後)

3)欧米の主要メディアが「60日間の停戦延長」「250億ドルのイラン資産凍結解除」など、 具体的な合意案のドラフト内容を一斉に報道(23日午後)

4)イラン革命防衛隊系の通信社がトランプ氏の「合意間近」の発言を「不完全であり現実と矛盾している」と一蹴(23日夜)

5)イラン側が「ホルムズ海峡の管理権や通航許可は今後もイランの独占的裁量にある」とトランプ氏の主張に猛反発(23日夜)

6)イラン外務省のバガエイ報道官が現在のドラフトはあくまで「枠組み協定(大枠の合意)」に過ぎないと国営TVで発表(24日午前)

7)イラン高官がロイター通信に対し「高濃縮ウラン(HEU)の引き渡しには同意していない」と明かし、核問題は交渉対象外と言明(24日午前)

8)トランプ大統領が和平合意を成立させるのを「急ぐ必要はない」と述べたと報道(24日午後)

9)トランプ大統領は「正式な合意・署名がなされるまで、ホルムズ海峡の米軍による海上封鎖は完全に維持する」と表明(24日午後)

10)トランプ氏「平和交渉はまだきちんと交渉すらされていない」と発言(24日夕方現在) .

このように時系列で並べると、「米イラン間の新たな和平合意」はまだ流動的にも思えるがどうだろうか。だだ、株高・原油安・金利安の「相場操縦」らしきものを演出されると、いかにも「米イラン間の新たな和平合意」が本当ではないかと信じこんでしまうが、それも演出なのだろう。

それにしても、何故、10年物米国債利回りを「4.4%」にしたいのだろうか。冒頭の記事にあるようにS&P500の株式益利回りを下回らせて、株式から債券へのお金の流れを止めて株価の急落を阻止しようとしているのか。ただ、2026年は米国債39兆ドルの3分の1が償還を迎えるため、金利を大きく下げて借り換えをした方が良いようにも思えるが、ベッセント財務長官には何か誰も気づかない奇策でも考えているのだろうか。

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