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第375回:2026年8月景気ウオッチャー調査4ヶ月連続改善したのか?
第375回:2026年8月景気ウオッチャー調査4ヶ月連続改善したのか?
「現状判断DI」が4ヵ月連続で改善した「2026年8月景気ウオッチャー調査」
内閣府は26年9月8日、「2026年8月景気ウオッチャー調査」を発表。同指標は株価の1~2ヶ月先行指標で政府統計では最も有効。
2026年8月「街角景気」の「現状判断DI」は前月比+0.4%Pの46.2%(原数値)と4ヵ月連続で改善。実態を示す前年比ベースは-0.1%と2ヵ月振りに悪化。景気の別れ目となる50%を28か月連続で下回っている。「客の様子として、来店回数が減っている。会話においては、いずれも値上がりの話をよくしている(東海・一般レストラン)」など消費者の節約志向が強まる一方、「金利のある世界となり、物価高が続いていることもあるが、買い控えよりも先を見越して動いておくといった行動を取る人が増えている(南関東・住宅販売会社)」「市内の中心部の分譲価格が急激に上昇しており、周辺の開発が進んでいる。賃貸や分譲マンションの着工、家屋の建て替えも行われており景気が良くなっている(九州・住宅販売会社)」など住宅購入に前向きな動きがみられるとの声が聞かれた。尚、メディアでは、2016年10月分から発表を開始した「季節調整値」を使用しているが、現状判断DIは前月比+0.7%Pの46.4%と4ヵ月連続で改善。景気の別れ目となる50%を30か月連続で下回り、「原数値」とほぼ変わらない。尚、25年12月48.6%→47.7%に修正されたが、2024年2月にも「驚いたのは、24年1月分から現状判断DIを23年9月49.9→50.7、10月49.5→50.7、11月49.5→50.8と突然50以上に上方修正していたこと。50以下では不都合があったのだろうが、これは改ざんに近く、色々な統計でこのようなことが行われている可能性には注意が必要だろう。」と指摘したが、24年12月「景気ウォッチャー調査」も、24年7月48.3→8月50.3→9月49.7→10月48.3→11月49.4→12月48.8は、25年1月「景気ウォッチャー調査」で、8月48.9→9月48.0→10月47.0 →11月48.6 →12月49.0 に全て変更され、益々統計の信頼性は失われている。
T-Modelにおいて「景気判断」に最も重要なのは移動平均との乖離幅で、25年6月-0.4%→7月0.0%→8月+0.6%→9月+1.1%→10月+2.4%→11月+1.3%→12月+1.3%→26年1月-1.8%→2月+0.7%→3月-2.5%→4月-4.5%→5月-2.2%→6月-0.9%→7月+1.3%→8月+2.1%と推移。2ヵ月連続でプラス転換し、景気改善を示している。尚、米イラン戦争が始まった26年4月に「-4%超」悪化となりましたが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった22年2月以来、4年2ヵ月振りの大きな落ち込みとなっています。尚、内閣府は基調判断を2025年10月以来、8ヵ月振りに26年6月に「持ち直しの動きに弱さがみられる」から「持ち直しの兆しがみられる」に上方修正しましたが、さらに今8月は「持ち直しの兆しがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」へと2カ月ぶりに上方修正しています。
2─3カ月先を見る「先行き判断DI」は前月比+1.9%Pの47.4%と前の月と異なり、改善。実態を示す前年比ベースも+0.7%と6か月振りに改善。ただ、水準は景気の別れ目の50%を6ヵ月連続で下回った。尚、今年は米国とイランの戦闘で3月、4月は20年12月36.1%以来、約5年振りの40%割れとなっている。「商品単価の引上げが続いているため、更に節約志向が高まる(東海・スーパー)」など物価高継続による消費者の節約志向の強まりを懸念する声の一方、「9月の大型連休、それ以降の予約状況が好調であり、前年と同じ水準となっている(中国・テーマパーク)」など、秋の行楽需要の堅調さを示すコメントがみられた。尚、「季節調整値」は前月比+2.5%Pの48.3%と5ヵ月連続で改善。景気の別れ目となる50%を6ヵ月連続で下回っているが、7月と同様に原数値よりもやや強めに出ている。現状判断DIと同様に、昨年25年12月50.5%→49.5%に1%Pと都合の良い数値に下方修正し、相変わらず不正を行っているように見える。以前から、「現状判断」と同様、24年12月「景気ウォッチャー調査」では、24年7月48.3→8月50.3→9月49.7→10月48.3→11月49.4→12月48.8は、25年1月「景気ウォッチャー調査」では、8月50.2→9月49.5→10月48.7→11月49.8→12月49.4(←25年1月48.0)、と全て変更されており、統計の信頼性は失われている。
また、T-Model理論『「先行き判断DI」-「現状判断DI」』は、26年1月+5.2%P→2月+3.6%P→3月-5.1%P→4月-2.6%P→5月-2.2%P→6月+2.6%P→7月-0.3%P→8月+1.2%Pと、2ヵ月振りに改善。米イラン戦争が始まった今3月~5月は3か月連続で悪化し、特に、3月は新型コロナ禍だった20年11月-10.0%以来、約5年振りに「5%超」のマイナス幅となっている。T-Model理論『「先行き判断DI」-「現状判断DI」』はプラス圏が正常な状態だが、マイナス圏は「先行き」に期待が持てない不安定な状態を示す指標として開発した。高市政権への期待が大きかったが、「イラン戦争」による原油高はそれらを打ち消したかたち。
一方、関東地区の先行きDI(家計関連)は前月比+1.4%P の47.2%と前の月と異なり改善。実態を示す前年比ベースでも+0.9%Pと、6ヵ月振りに改善。ただ、景気の別れ目の50%を6ヵ月連続で下回った。全国先行きDI(家計関連)46.8%であることから、関東地区が全国を5か月連続で上回った。その結果、「関東-全国の差(移動平均ベース)」は、25年6月-0.1%→7月0.0%→8月+0.1%→9月+0.1%→10月-0.1%→11月-0.3%→12月-0.1%→26年1月-0.1%→2月-0.2%→3月-0.3%→4月0.0%→5月+0.3%→6月+0.2%→7月+0.3%→8月+0.5%と推移し、4か月連続で「プラス圏」に浮上している。25年4月以降、-0.1%~+0.1%の小幅なレンジで推移していたが、今5月~7月は+0.2%~+0.3%Pとレンジ幅が広がり、さらに8月は+0.5%に拡大した。同指標は関東地区が地方に比べ世界の金融危機に左右されやすい経済構造になっていることを利用して発見したT-Modelオリジナル理論。過去、07年の「サブ・プライムローン問題」、08年の「リーマン・ショック」、11年「欧州債務危機」、15~16年の「チャイナ・ショック」、2020年「コロナショック」など世界的な金融危機の局面で大きく悪化していた。実は、過去、「円キャリートレード」が膨らんだ98年には「アジア通貨危機」「LTCM危機」「ロシア危機」が起こり、07年は「パリバショック」「中国バブル崩壊」が起こり、08年「リーマンショック」に発展した。そして、24年7月の「円キャリートレード」の巻き戻しは「令和のブラックマンデー」が起きている。26年8月13日、ドイツ銀行のチーフ為替リサーチ責任者であるジョージ・サラベロス氏らは世界の資産を膨張させている円キャリーは20兆ドル(日本円で約3000兆円)と日本のGDPの5倍であると試算。ドイツ銀行はこのレポートの中で、日銀が利上げ(金融引き締め)を進めていくと、この20兆ドル規模の構造に「予期せぬリスク(含み損の拡大や調達コストの急増)」がもたらされ、世界の金融市場に連鎖的なショックを与える可能性があると警告しています。30年以上にわたり、人類史上最も安い通貨を輸出し、世界最大の「金融アンカー」の役割を果たしてきた日本の長期金利が9月1日に3%大台を突破、1996年9月以来、30年振りの高さを記録しており、そろそろその「金融アンカー」役は幕を閉じようとしているかもしれません。尚、ドル円相場に「協調介入」が行われた1995年や1998年、2011年の過去の歴史通り、今回の「日米協調介入」もそれまでのトレンドの大転換の契機となるかが注目されます。
また、T-Model理論の同指標は10ヶ月先の日本の株式市場を占う上でも重要な指標。同指標は3度目の「危険な時間帯」を示唆していたが、前述の通り、「円キャリートレード」による「人工的円安」と「逆イ―ルド」による金融緩和策で日米の株価を吊り上げる不自然な「株価操縦」で危機を覆い隠してきた。だた、「円キャリートレード」に資金を供給してきた日銀が利上げをすると、株式市場は調整局面が到来し始めている。24年7月31日に日銀が0%→0.25%に利上げし、日経平均は「令和のブラックマンデー」で-26%急落(7月高値42426円→8月安値31156円)、25年1月24日に日銀が0.25%→0.5%に利上げし、日経平均は「トランプ関税ショック」が重なり、25年1月高値40288円から4月30792円まで-23%急落した。ただ、25年12月19日に日銀が0.5%→0.75%に利上げした時期は、高市総理が10月21日に誕生したせいか、日経平均は25年11月高値52636円→12月安値48643円と-7%急落でとどまった。26年6月16日に日銀が金融政策決定会合で政策金利を0.75%から1.0%に引き上げ、日経平均は6月22日史上最高値72831円から7月29日安値60448円まで-17%の調整局面となった。9月17日~18日に日銀金融政策決定会合が開催され、政策金利を1.00%から1.25%に引き上げることが濃厚だが、今回も株式市場が調整局面入りするかが注目される。
先週末9月11日のメジャーSQ値は「9月63039円」で、8月とは逆に下の「幻のSQ値」が表れ、2ヵ月連続、かつ上下の「幻のSQ値」が表れる珍しい現象となっています。一般的に、上の「幻のSQ値」は今後の相場が弱くなる可能性を、一方、下の「幻のSQ値」は今後の相場が強くなる可能性を示唆することから、上下の「幻のSQ値」(「8月69702円」「9月63039円」)の間で相場のボラティリティが高まり、今後、どちらかの「幻のSQ値」を達成するかで、上昇か、下落かの方向が明確になりそうでしたが、本日14日62726円まで急落し、9月の「幻のSQ値」を達成したことで、目先はさらに下落する可能性を示唆したかたちです。今週は、15日~16日にFOMC、9月17日~18日に日銀金融政策決定会合で金融政策の変更が予想されている他、19日~23日までシルバーウィークのため5連休となることから相場のボラティリティの高まりに注意が必要な2週間となりそうです。



