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米国の銀行貸出基準がコロナショック以来の厳しさ


米国の銀行貸出基準がコロナショック以来の厳しさ

2023年7月19日日経新聞夕刊に『米消費、力強さ欠く~6月小売売上高、0.2%増どまり』が報道されている。

『米商務省が18日発表した6月の小売売上高(速報値、季節調整済み)は、前月比0.2%増の6894億9900万ドル(約95兆円)だった。3カ月連続で増加した。ただ市場予想(0.5%増)は下回り、力強さを欠いた。インフレ率は低下傾向にあるが、家計の負担感は根強く米消費の先行きはなお不透明だ。金額の大きいガソリンスタンドは1.4%減った。自動車・同部品は0.3%増だった。自動車・同部品を除いた売上高は0.2%増えた。(途中略)

全体の小売り売上高は前年比1.5%増だった。インフレの影響を除いた実質的な売上高は前年比で縮小していることになる。米バンク・オブ・アメリカがクレジットカードとデビットカードの利用データから算出する6月の消費額は、前年比0.2%減だった。4月以降、3か月連続でマイナスが続いている。同社の分析では持ち家に住む人のカード支出はわずか前年比で増加しているが、賃貸住宅居住者は減少が続いている。(途中略)

今秋には学生ローンの支払い猶予措置が打ち切られ、2000万人以上が返済の再開を余儀なくされる。負担は1人あたり300ドル超増える計算で、消費に与える影響は避けられない』

また、2023年7月21日日経夕刊には『中小企業が示す米景気後退』のコラムが掲載されている。

『マクロ経済は中小企業が動かす。大企業ではない。日本では中小企業の雇用数は全体の7割程度だが、米国でも従業員250人以下の中小企業の雇用数は民間部門全体の4分の3である。経済分析を株式市場中心に行うとどうしても大企業中心となるが、これは現実の経済とかけ離れたものになる。株価とマクロ経済の乖離(かいり)は当然だ。

急激な金融引き締めにもかかわらず株価が堅調なため、米国でも、経済は底堅く不況は避けられるのでは、という期待が強い。だが、現実の経済は着実に不況に向かっている。中小企業が弱っているからだ。大企業と違って、中小企業は株式市場からも債券市場からも資金調達はできない。銀行融資がすべてである。

短期金利の急上昇で短期債やMMF(マネー・マーケット・ファンド)の利回りが5%近くまで上昇、預金の流出が続く。銀行の貸し出し態度は厳しくなり、貸出金利も全米自営業者連盟(NFIB)によると、2020年7月4.1%が23年6月の9.2%まで上昇している。(途中略)

物価上昇率も着実に低下してきている。消費者物価は直近前年比3%上昇したが、そのうち2.6%分は住居費で、これを除くと0.4%しか上昇していない。生産者物価の伸びは世界的にマイナスになってきている。(途中略)』

米国連邦準備制度理事会(FRB)は23年5月8日に四半期に一度の「銀行貸し出し態度指数」を公表している。米国の銀行は過去3カ月間(2023年1~3月)に中堅・大規模企業(年間売上高5,000万ドル以上)向け融資基準を前回調査期間よりも「厳しくした」と回答した割合は46.0%と、前回調査から1.2ポイントの小幅な上昇となった。一方、小規模企業(年間売上高5,000万ドル未満)向け融資基準は46.7%と、前回調査から2.9ポイント上昇しており、前述の記事の通り、中堅・大企業よりもさらに厳格化されている実態が明らかになった。3月のシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に端を発し、直近5月1日にはファースト・リパブリック銀行(FRC)が経営破綻するなど銀行への信用不安が生じる中、銀行も財務基盤の安定化を目的に貸し出し態度を厳格化させている。

また、分野別では、懸念されている商業不動産セクターに対する割合は73.8%と、前回調査から4.6ポイント上昇、銀行が商業不動産セクターに対する融資基準をより厳しくしていることが明らかになった他、家計部門も融資基準が厳しくなったため、冒頭の記事にあるように個人消費が予想以上に弱まってきている。

23年4~6月の「銀行貸し出し態度指数」46%は、ITバブル崩壊時ピークの2001年1~3月59%に迫り、実態は「〇〇ショック」に入りつつあることを示唆する。当然と言えば当然だが、同指数は過去、米国税収との連動性が高く、実際、米国税収は22年7~9月3.21兆ドルをピークに、23年1~3月2.95兆ドルまでピーク比-8%落ち込んでいる。実は、この米国の税収は米国の株価との連動性が高く、現在の株価の動きは今後、米国の税収が再度、増加することを示唆するが、23年4~6月以降の米国税収には要注目である。ただ、現在の「銀行貸し出し態度指数」で米国税収が増加するのは至難の業であること誰もが理解できるが、どんなウルトラCで実現しようとしているのかが楽しみである。

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