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7月の調査で「最も過大なポジション」第2位は?


7月の調査で「最も過大なポジション」第2位は?

2023年7月24日日経新聞に『日本株高「第2波」の条件~賃金・利益率の上昇カギ』が掲載されている。

『海外投資家による日本株買いの勢いが鈍ってきた。利上げが進む米欧や中国リスクを避けたマネーが押し寄せたのは6月まで。株価が低位だった「安いニッポン」への買いが一巡すると、株高も足踏みとなっている。ここから新たな買いの波を呼び込めるかは、賃金が持続して上がり、企業の利益率が上昇する「高くなるニッポン」に変われるかがカギになる。(途中略)

3月下旬から累計6兆円超となった海外投資家の買い。日経平均株価を33年振り高値に押し上げたが、その勢いに一巡感がある。(途中略)米バンク・オブ・アメリカが実施する世界のファンドマネージャー調査もそれに符号する。7月の調査で「最も過大なポジション」という質問で、1位「大型テック株の買い」(59%)に次いで、「日本株の買い」(14%)が2位に入った。日本株の「アンダーウエイト」はここ2年ずっと定着。6月に改善を見せたといえ、多くの投資家は日本株への配分を落としている。なのに早々に警戒が出てきた。持続的な株高に大きな期待がまだないと読める。
(途中略)

ただ海外投資家のあいだで、日本企業の資本効率の改善に懐疑的な見方が消えないのも事実だ。アベノミクス相場も円安が止まると自己資本比率(ROE)が落ちてしまった。期待は失望となり日本株売りに転じた。(途中略)』

1週間の外国人買い(先物+現物)は直近ピーク6月5日週1.73兆円の買い越しから23年7月17日週-1.27兆円の売り越しに転じている。その結果、外国人買い(先物+現物)の累計は6月19日週41.2兆円で一旦、ピークを打ち、ちょうどアベノミクスで外国人買いがピークとなった15年5月25日週82.7兆円を頂点とするトレンドラインで止まったかたちとなっている。特に、外国人投資家が約7割の売買を占める先物(裁定買い残)は直近ピークでも6月19日週1.42兆円と低水準のままでとどまっている。
冒頭の記事では、外国人の買いが一巡した理由として『海外投資家のあいだで、日本企業の資本効率の改善に懐疑的な見方が消えないのも事実だ。アベノミクス相場も円安が止まると自己資本利益率(ROE)が落ちてしまった。』と指摘するが、外国人買い(先物+現物)の累計と日経平均の推移を比べると、アベノミクスで外国人買いがピークとなった15年5月25日週82.7兆円以降、売り越しを続けている。理由は、バフェット指数(株式時価総額/名目GDP)が2015年以降、「割高」な水準となっているためで、日銀とGPIFが日本株を買い支えているが原因。

また、「3月下旬から累計6兆円超となった海外投資家の買い。日経平均株価を33年振り高値に押し上げた」とあるが、23年1~3月バフェット指数(株式時価総額/名目GDP)は1.31倍と、依然「割高」な水準。先物の外国人は日本株にはあまり興味があるようには見えないが、何故、「現物の外国人」は何を理由に33年振りの高値まで日経平均を買い上げたのか。また、この「現物の外国人」はどこの外国人で、どこの外国人マネーなのか?など大いに疑問が残る。

冒頭の記事では最後に『第一波には、元々日本株になじみの少ない「ツーリスト投資家」も多かったとされる。安さだけなら去る足も速い。賃金や利益率が「高くなるニッポン」として評価を得ることで、長くいるほど株式価値が上がる期待を持てる市場になるのかが大事だ。それがバブル最高値を上に抜け出るための条件になるだろう。』と指摘する。だが、現在の日本株を「安い」と考えていること自体、先物を中心とする本物の外国人との見方に大きなズレが生じている。本気でバブル最高値を目指しなら、日銀とGPIF以外の新たな日本株を買い上げる機関を探す方が現実的ではないだろうか。

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