塚澤.com最新ニュース

Home » 「ドル基軸通貨」終了の2つのシグナル

「ドル基軸通貨」終了の2つのシグナル

 

「ドル基軸通貨」終了の2つのシグナル

2024年3月26日日経新聞に『NY金が最高値圏~米利下げ織り込み、先物買い』が報道されている。

『金(ゴールド)の国際価格が最高値圏で推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換を織り込み、ヘッジファンドなど短期マネーの先物買いがけん引する。流出が続いた金の上場投資信託(ETF)に長期投資家らの資金が流入する動きも出てきた。投資家の裾野が広がり、年内の一段高を予想する声が増えている。金の国際指標となるニューヨーク先物(中心限月)は日本時間25日午後時点で、1トロイオンス2170ドル程度で推移する。21日には一時前日比3%高い1トロイオンス2225ドルまで上昇し、史上最高値を更新した。年初からの上昇率は5%に達する。背景にはFRBによる金融政策転換への期待がある。金は金利を生まないため、利下げ局では他の資産に比べ投資妙味が増す。()途中略)

過去の利下げ局面で金価格は上昇することが多かった。ピクテジャパンによると、07年から始まったFRBによる利下げ局面では12月に利下げが終了するまでの騰落率は、世界の株式が41%安、米長期金利が3%下落したのに対し、金価格は1トロイオンス650ドル前後から870ドル前後まで上がり3割ほど上昇した。(途中略)

米ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのロビン・ツイ金ETFストラテジストは「FRBによる利下げを受け、強気シナリオでは24年下期に1トロイオンス2200~2400ドルを試す」と指摘する。』

2024/03/11『春闘での賃上げ期待で先行きDIが23年6月の高水準まで上昇した「2024年2月景気ウォッチャー調査」』のT-Modelコラムにおいて、

『特に、注意すべきは「ドルインデックス/NY金*100」が21年5月24日以来となる4.7倍に下落し、2011年8月22日週史上最安値4.0倍からの下値支持ラインを割り込んだことだろう。つまり、「ブレトンウッズ体制2」から「ブレトンウッズ体制3」へ移行過程が始まったことを意味し、それが先週のドル円での約3円幅の急激な円高に表れたかたちである。仮に、「ドルインデックス/NY金*100」が2011年8月22日週史上最安値4.0倍を割り込むようだと、「ドル基軸通貨」終了のシグナルが点灯することになる。実は、1月1日の「能登半島地震」はドルインデックスが年末23年12月29日安値100.75と100大台割れ、またドル円も140.2円と140円大台割れ目前まで下落したときに起き、偶然なのかもしれないが、本日3月11日に13年目を迎える「東日本大震災」もドルインデックスが69台と過去最低まで下落した時期に起きている。つまり、「ドル基軸通貨」の危うさは「地震」「戦争」と何らかの関係があるということではないだろうか。』と指摘した。

現在、ドルインデックスは104.2に対し、NY金価格は2286ドルと史上最高値をさらに更新し、T-Model理論「ドルインデックス/NY金*100」は約4.5倍に低下する。ドルインデックスは104.2と昨年末の100からは離れていて一見、問題ないようにも見えるが、同指標では「ドル基軸通貨」終了のシグナル点灯が迫っていることになる。仮に、2011年8月22日週史上最安値4.0倍を逆算すると、現在のドルインデックス104だとNY金は2600ドルで、またドルインデックスが100に低下するとNY金が2500ドルで達成する。ドルインデックスが100大台を割れは「地震」「戦争」に気を付けなければならないが、同指標が4倍に近づいても注意が必要である。

その時は日本に対して、更なる「円安プレッシャー」が強まりそうだが、実は、これ以上の「円安プレッシャー」は「ドル基軸通貨」終了の引き金を引く危険性もはらんでいる。それはTーModel理論「購買力平価(消費者物価ベース)-ドル円」の直近最大の乖離幅が23年10月-42.7円で、「ブレトンウッズ体制2」がスタートした73年1月-53.4円の過去最大の乖離幅を超えるからである。そして、それは「ドル基軸通貨」終了のシグナル点灯することを意味する。最近、日本政府による「為替介入」発言が増えていることに違和感を覚えないだろうか。何故なら、日本政府単独で「為替介入」などできるはずもなく、多分、米国からの指示の可能性が高いからである。つまり、米国側もこれ以上の円安・ドル高は望んでない証拠で、やはりTーModel理論「購買力平価(消費者物価ベース)-ドル円」を米国側も気にしているのかも知れない。

塚澤.comの会員向けサービス
会員向けサービス
会員向けサービス
Tsukazawa.com Premium Contents

塚澤.comの有料会員向けサービス(「今週のT2経済レポート」定期購読のお申し込み)では、T2レポートの配信の他にも様々な会員特典をご用意しております。

無料会員登録をしていただくと、一部会員向けコンテンツの閲覧やメルマガの購読をご利用いただけます。

セミナーのご案内

【受付終了】御礼:2月17日:「生活防衛の教室 」2024年予測Webセミナー終了しました。

【受付終了】御礼:11月18日:「生活防衛の教室 」第600回記念Webセミナー終了しました。

【受付終了】御礼:8月19日:「生活防衛の教室 」 Webセミナー2023年夏終了いたしました。

【受付終了】御礼:5月20日:「生活防衛の教室 」 Webセミナー2023年春終了いたしました。