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「桜を見る会」問題でも安倍内閣の支持率は何故、安定しているのか?

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「桜を見る会」問題でも安倍内閣の支持率は何故、安定しているのか?

2019/11/25日経一面に『内閣支持率、7ポイント減の50%~桜を見る会の説明「納得せず」69%』が報道されている。

『日本経済新聞社とテレビ東京による22~24日の世論調査で安倍内閣の支持率は50%となり、前回10月の調査から7ポイント下落した。不支持率は4ポイント増の40%だった。首相主催の「桜を見る会」については、首相の支援者が多く招待されたことなどに関する安倍晋三首相の説明に「納得できない」と答えた人が69%だった。「納得できる」と答えた人は18%だった。国会では「桜を見る会」の前後に首相講演会が開いた会合の会費を巡り、野党が追及を続けている。これまでの首相の説明に「納得できない」と答えた人は内閣不支持層で94%、特定の支持層を持たない無党派層で73%だった。内閣支持層、自民党支持層でも5割程度に上った。

憲法改正に向けて各党が国会で具体的な議論をすべきかどうかを聞くと「議論すべきだ」と答えた人は74%で前回10月の調査から横ばいだった。「議論する必要はない」も横ばいの20%だった。「議論すべきだ」と答えた人は内閣支持層で82%、不支持層でも63%に上った。

10月1日に消費税率が10%に上がった後、家計支出を減らしたかを質問すると「変わらない」と答えた人は69%だった。10月の前回調査から7ポイント減った。「支出を減らした」と答えた人は6ポイント増の27%だった。「減らした」と答えた人は女性が31%で男性の24%より多かった。』

憲政史上、最長の首相在職日数(戦前の桂太郎2886日)を更新した安倍晋三首相だが、新たに閣僚に起用した菅原一秀・経済産業相と河井克行・法相が不祥事を理由に相次いで辞任。11月に入ると2020年度の大学入学共通テストから実施予定だった民間英語試験の導入の延期を決定し、受験界に混乱を招いた。さらに首相主催の「桜を見る会」が実質的に公費を使った安倍首相の後援会活動の場となっている問題が表面化した。これだけ悪い話が続けば内閣支持率は急落するのが普通である。だが、今回の内閣支持率をみても何事もなかったかのように安定している。2012年12月に発足した第二次安倍内閣の支持率は、特定秘密保護法や安全保障関連法など批判の強かった法律を強引に成立させても、あるいは安倍首相自身の関与が追及された「モリカケ」問題で国会が紛糾したときもほぼ一貫して50%前後で不気味なくらい安定していた。この支持率安定こそが安倍政権の在職最長記録を更新する原動力なのである。第1次安倍内閣から民主党政権の野田佳彦内閣まで6つの政権の内閣支持率は1年単位で急落を繰り返し、その結果1年ごとに首相が交代していた時代を見れば明らかだろう。

では、第2次安倍内閣の支持率は何故、大きな変動がないのだろうか。一般的には、「ほかに期待できる人や政党がない」という消極的選択であるとの理由が多い。だが、本当の理由は「ほかに期待できる人や政党がない」からでもなんでもなく、株価を高く維持しているからである。第2次安倍政権の日経平均の株価上昇率は約7年間で2.3倍と戦後歴代3位。首位は佐藤栄作政権3.1倍、2位が中曽根政権2.9倍で、いずれも長期政権だったことからも株価上昇が長期政権維持にどれだけ重要かが明らかだろう。
もう一つの長期政権の理由は報道の自由度が低いことだろう。国境なき記者団(RSF)は毎年、180の国や地域を対象に、ジャーナリストに与えられている自由をランキングした「報道の自由度ランキング」を発表しているが、2019年版「世界報道の自由度ランキング」で日本は前年と同じ67位。過去の政権に比べ安倍政権の「世界報道の自由度ランキング」は極めて低い。皮肉にもこの「世界報道の自由度ランキング」と日経平均は逆相関の関係にあり、報道の自由度の低さが、長期政権維持にもっとも重要な株価上昇に寄与しているのである。安倍長期政権の理由を「ほかに期待できる人や政党がない」などというもっともらしい理由を鵜呑みにされていた方は洗脳されやすい思考であるとの自覚が必要ではないだろうか。

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