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何故、2年半ぶりのユーロ高水準なのか?

何故、2年半ぶりのユーロ高水準なのか?

2020/12/4日本経済新聞に『ユーロ2年半ぶり高値~世界経済に回復期待』が報道されている。

『ユーロの上昇が続いている。3日の東京外国為替市場でユーロは対ドルで1ユーロ=1.21ドル台前半とおよそ2年半ぶりの高値をつけた。新型コロナウイルスのワクチン接種が始まるとの期待から、世界経済が早期に回復するとの見方が高まっている。ただ先行きについてはユーロの上昇は限定的との見方が多い。

12月に入り、ユーロは対円でも大きく上昇した。3日の東京市場では一時1ユーロ=126円台後半と3カ月ぶりの高値をつけ、年初来高値である127円台に迫っている。英政府は2日、米製薬大手のファイザーなどが開発する新型コロナウイルスのワクチンの使用を承認したと発表した。米国でも12月中旬にもワクチンの接種が始まる見通しで、世界経済の回復期待が高まっている。米国の追加の経済支援策への期待もドル安・ユーロ高の支えとなっている。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長とムニューシン財務長官は1日、議会に追加の財政対策を要請した。

長期的にみると、ユーロの上昇余地は限定的との見方も多い。ユーロが1ユーロ=1.20ドル台に上昇した9月初旬には、物価押し下げを懸念する欧州中央銀行(ECB)の幹部からユーロ高をけん制する発言が相次ぎ、同月下旬には同1.16ドル台まで下落した。10日にはECB理事会後にラガルド総裁の記者会見が予定されている。』

2020/11/09『『ドル安に新財務長官の影』』のT-Modelコラムにおいて、

『冒頭の記事は、外国為替市場で円相場が約8カ月ぶりに1ドル=103円台の円高・ドル安水準を付けたことで、米大統領選挙と絡めて書かれたものだが、「ドル安論者」のブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事が財務長官に就任するとの思惑だけで8ヶ月振りの円高を説明しようとしているのはさすがに無理があるのではないだろうか。
ドル安については、拙書『暴落はまだ終わっていない』の第6章の『アメリカが財政赤字を解消する「15年サイクル」とは』(P193)で説明しているのでそちらを参考にしていただきたいが、ドルの「15年サイクル」のピークは16年12月102.29で打ち、現在はなだらかな「ドル安」過程に入っている。「15年サイクル」からみると、今後は2024~25年に向けてドルは大きく下落することになるが、何を契機にドル安を強めるのか。冒頭の記事に「米国の事情でドルが大きく動き始めると、日銀など日本側の動きでは流れは止まらない可能性もある。」との指摘もあるが、まさにリーマンショック時の急激な円高ドル安がそれにあたるだろう。つまり、未だ決まらない追加の経済対策が今後のドル円相場に重要であることを意味しているが、いずれにしても2024~25年に向けてのドル安は世界的な大きな試練を巻き込むことだけは間違いないのではないだろうか。それは歴史が証明しているからである。』と指摘した。

ユーロの2年振りの高値もこのドルの「15年サイクル」が影響している可能性が高いだろう。ドルユーロの長期推移を振り返ると、ユーロ史上最高値08年7月1.6から16年12月1.05まで下落したが、ドルインデックスの動きと一致しているからである。T-Model独自の『ドルの「15年サイクル」』では、2024~25年に向けてドル安のボトムに向かうと予測しているが、それは同時に、2024年~25年に向けてのユーロ高を意味する。冒頭の記事では、「長期的にみると、ユーロの上昇余地は限定的」と指摘しているが、この見方とは大きく異なっている。それは同時に、ドルユーロと連動性の高い原油も今後、大きく上昇する可能性が高まることを示唆しており、ドルユーロが18年1月1.241の節目を超えると、誰の目にもこのT-modelの予測が現実化しているのではないだろうか。

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