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第354回:AI「Mythos」米金融界が震える本当の理由とは?

第354回:AI「Mythos」米金融界が震える本当の理由とは?
『米金融界が震える非公開AI「Mythos」』
2026年4月11日日経電子版に『米金融界が震える非公開AI「Mythos」 銀行システムの弱点突く』が報じられている。
『人工知能(AI)を悪用したサイバー攻撃に警戒が強まっている。米新興アンソロピックのAIの高性能をおそれ米財務省は米大手銀行と緊急会合した。金融システムの弱点が突かれると経済に混乱が広がるリスクがある。
発端はアンソロピックが7日に発表した新型AIモデル「Claude Mythos(クロード・ミトス)」だ。幅広い用途で米オープンAIや米グーグルの最新AIよりも高い性能を備えるとされ、特にアンソロピックが強みとするプログラミング能力が向上した。
ミトスはプログラムを構成するソースコードを自動で書き、高度なソフトウエアを作れる。同じ技術で既存のソフトのコードを読み解くことができ、ソフトの開発元も知らない「ゼロデイ」と呼ばれる未知の脆弱性を数千件、AIが見つけた。ソフトに含まれるセキュリティー上の欠陥を見つけるには従来、ホワイトハッカー(正義のハッカー)らの専門家が時間をかけてコードを解析する必要があった。ミトスは同じ作業に人間の助けを必要とせず、自動で短時間のうちに終える。
ソフトの脆弱性はサイバー攻撃の入り口だ。企業など防御側が先に見つければ穴を塞ぐことができるが、悪意を持つ攻撃側の集団に知られると、機密情報の漏洩やシステムの停止、乗っ取りなどの事態を招く。(途中略)
高度なサイバー攻撃、金融市場に「最大のリスク」
米政府は事態を重く見る。米ブルームバーグ通信などによると、ベッセント米財務長官は7日、ゴールドマン・サックス のデービッド・ソロモン氏ら米大手銀5行の最高経営責任者(CEO)を集めて首都ワシントンで緊急会合を開いた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長も加わった。米財務省も会合を開いたことを認めた。
金融大手のシステムに高度なサイバー攻撃が仕掛けられれば、個別行の問題にとどまらず信用で成り立つ金融市場全体に不安が波及し、実体経済にも影響を及ぼしかねない。ベッセント氏は対策を確認し、警鐘を鳴らした格好だ。銀行側も危機感は強い。JPモルガン・チェース のジェイミー・ダイモンCEOは6日に公表した株主への年次書簡で「サイバーは我々にとって最大のリスクの一つであり、AIはほぼ確実にその脅威を高める。我々は自らを守り、警戒を怠らないよう多額の投資をしている」と述べた。(途中略)』
アンソロピックが4月7日に試験公開した新型AI『クロード・ミトス』はソフトウェアの脆弱性を自律的に発見・分析し、大規模に悪用する能力を備えている。同社はこの事態を「歴史的転換点」と位置づけ、サイバーセキュリティの専門家でなくても「高度な脆弱性を特定し、悪用できてしまう」ほど強力だと述べている。AIによる高度なサイバー攻撃が金融システム全体への脅威になるとの警戒感から、ベッセント財務長官が米大手銀行のCEOらと緊急会合を開いた。アンソロピック自身もリスクを警戒し、安全性を確認できるまでは一般公開しないと決めている。
新型AIモデルはアップル、エヌビディアなど大手テクノロジー企業やJPモルガンなど大手金融機関数社に限定して公開し、安全性確保の検証を始めている。ただ、限定公開している時点で、いつまでそれを抑え込めるかも不透明だろう。また、OpenAIもMythosに非常によく似たモデルを持っていると云われており、近未来、このような高性能な自立型AIモデルを利用したサイバー攻撃が猛威を振るう悪夢の世界が容易に想像できる。AIが「道具」から「行為者」に変質した瞬間であり、いよいよ映画「ターミネーター」の世界が始まろうとしているのかもしれない。



