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第354回:中東情勢混迷インフレ懸念で米長期金利高止まり?

第354回:中東情勢混迷インフレ懸念で米長期金利高止まり?
米長期金利が高止まりしているのは、中東情勢混迷化によるインフレ懸念再燃だけが原因か?
2026年4月16日日経新聞に『米長期金利、再び上昇圧力~インフレ懸念、買いの手鈍る FRB利下げ観測後退』が報じられている。
『米国の長期金利が高止まりしている。中東情勢の混迷化でインフレ懸念が再燃し、米連邦準備理事会(FRB)は「年内利下げなし」が市場のメインシナリオとなった。市場関係者からは米長期金利に上昇圧力がかかり始めたとの見方も出ている。
14日のニューヨーク債券市場で、長期金利の指標となる表面利率4.125%の10年物国債利回りは前日比0.04%低い(価格は高い)4.25%で終えた。3月17日以来の低水準となったが、25営業日にわたって4.2%を超えて推移する。同日数は2025年夏以降で最長だ。市場ではこれ以上の金利低下の余地は限定的との指摘が多い。
米国債の買い手を鈍らせているのが、インフレ懸念の再燃だ。米労働省が10日発表した3月の消費者物価指数(CPI)前年比で3.3%上昇し、約2年振りの伸び率となった。(途中略)ニューヨーク連銀の3月の消費者調査によると、3年先の予想物価上昇率(中央値)は3.08%と25年4月以来の高水準となった。期待インフレ率の上昇は名目ベースの長期金利押し上げに直結する。(途中略)
金融市場において絶対的な「安全資産」としての地位を築いてきた米国債だが、不確定要素の多さによって、価格のボラティリティは上昇傾向にある。予想変動率を示す「MOVE指数」の値は14日時点で74と、年初(62)に比べ高水準で推移する。(途中略)』
米10年債利回りと予想変動率を示す「MOVE指数」の関係を分析すると、「MOVE指数」が23年3月180をピークに低下傾向にあるなか、米10年債利回りは4%前後で高止まりしている。2000年9月36をボトムに、23年3月180までの上昇過程では米10年債利回りと連動していたが、それ以降は、乖離した状態が続いている。通常、両指標は連動性が高いが、現在のように米10年債利回りと「MOVE指数」が乖離した時期を調べると、2003年以降では、2006年6月と2018年10月の時期にみられる。両時期とも「MOVE指数」が上昇基調に転換した途端、2006年6月は「リーマンショック」、2018年10月は「クリスマスショック」と「コロナショック」に発展し、それが原因で高止まりしていた米10年債利回りは急低下した。つまり、米10年債利回りと「MOVE指数」の乖離の原因は、株価を吊り上げる「バブル」的状況を人為的に作り上げることで、お金の流れが債券から株式へ流れ続けさせることで起こっている現象と推察され、実際、「〇〇ショック」が起きてお金の流れが株式から債券へ変化すると、高止まりしていた米10年債利回りは急低下している。
また、NYダウと「MOVE指数」の関係を分析すると、「MOVE指数」が急上昇すると、株価は急落調整する傾向が見られる。今回も「イラン戦争」で「MOVE指数」が3月23日週111まで急上昇し、23年3月13日週180からのトレンドラインを割り込む寸前で、米国とイランの停戦合意の報道で首の皮一枚のところで食い止めたかたちである。トランプ大統領はまるでこれらのマーケットの動きを知っているかのようなタイミングで、「イラン戦争」をコントロールしているが、仮に、「MOVE指数」がこのトレンドラインを割り込むようだと、NYダウが急落調整する可能性が高まるため、「イラン戦争」の行方を占う上でも「MOVE指数」からは目が離せなくなってきている。



