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第356回:日経平均最高値 先物主導の空中戦 NT倍率が示す未来
第356回:日経平均最高値 先物主導の空中戦 NT倍率が示す未来
「NT倍率」が4月24日週、終値ベースで16.07倍と2025年10月31日週の過去最高値を半年振りに更新
2026年4月25日日経新聞に『AI半導体銘柄に買い集中~日経平均最高値 持続性に危うさ』が報じられている。
『24日の東京株式市場で日経平均株価は最高値を更新し、終値は前日比575円(1%)高の5万9716円となった。一部の銘柄に物色が集中する構図が続き、株高の持続性には危うさも残る。指数は先物主導で押し上げられた面も大きい。(途中略)ただ、物色の偏りは鮮明だ。半導体銘柄で構成する日経半導体指数は4月に入り34%高と日経平均(17%高)を大幅に上回る。大型株は更に出遅れ、日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割って算出する「NT倍率」は約16倍と過去最高水準で推移する。
JPモルガン証券の高田クオンツストラテジストは「日経平均の急騰は先物主導の空中戦の様相がある」と指摘する。高田氏の分析によると、CTAを中心としたファンド勢による日経平均先物の買い持ちは過去5年間で最高水準となっているという。(途中略)一段の株価上昇には業績など手掛かりに物色の裾野が広がる必要がある。』
2025/08/12『TOPIXが心理的節目の3000ポイント乗せの過去最高値と「NT倍率」』のT-Modelコラムにおいて、
『TOPIXが心理的節目の3000ポイントを超え、過去最高を更新したことで注目された『NT倍率(日経平均/TOPIX)』は先週8月8日週13.83倍と依然低迷している。T-Model理論通りならば、『NT倍率(日経平均/TOPIX)』が2021年2月15.5倍で史上最高を付けたということは、3年後の2024年に株価がピークを打つことを示唆し、それが今から考えると昨年7月に起きた「令和のブラックマンデー」だったのかもしれない。だが、足元は昨年付けた史上最高値を再び更新して、同指数と乖離した動きをしている。
実は、『NT倍率(日経平均/TOPIX)』を遡ると、日経平均が史上最高値を付けた1990年に13.8倍でピークを打ち、バブル崩壊とともに同指数も下落、2005年9.8倍の史上最安値を記録して、その史上最安値を付けた3年後の08年に「リーマンショック」が起きている。
T-Model理論『3年程度先行させた『NT倍率(日経平均/TOPIX)』と日経平均株価の連動性からすると偶然ではなく、何かが起きるタイミングであることを『3年程度先行させた『NT倍率(日経平均/TOPIX)』は示唆していたことになる。理由はともかく、同指数を無視したかたちで続ける現在の株高はいつまで続けられるのか。』と指摘した。
日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割って算出する「NT倍率」は4月24日週、終値ベースで16.07倍と2025年10月31日週につけたこれまでの最高値15.73倍を上回り、過去最高を更新した。同倍率は水準が切り上がるほど値がさ株の影響の大きい日経平均が時価総額の大きい銘柄に左右されやすいTOPIXに対し優位であることを示す。収束が見えない中東情勢と原油高への警戒感から自動車株や銀行株などの業種の上値の重さが目立ち、株式市場の実態を示すTOPIXは2月27日3938の過去最高値を超えずに、4月17日~4月24日と6日連続陰線と伸び悩む。一方、米フィラデルフィア半導体指数(SOX)が14連騰し、世界的なハイテク株高の流れを受けてAI・半導体関連株の寄与度が高い日経平均が最高値圏で強含んでいるため。
ただ、今回のように「NT倍率」が急上昇するときはヘッジファンド勢による先物主導の指数吊り上げが大半で、冒頭の記事では「CTAを中心としたファンド勢による日経平均の先物の買いポジションは過去5年間で最高水準になっている」と指摘する。 実際、外国人の先物+現物合計の買越額は直近4月13日週75.7兆円と、日経平均が史上最高値を付けた直近最高の2月23日週77.3兆円に迫っているが、過去、外国人の先物+現物合計の買越額は小泉政権時代のピークが84.5兆円、安倍政権時代のピークが82.7兆円に迫っている。外国人買いを利用した株価吊り上げも、そして、この外国人買いを支えてきた「円キャリートレード」も最終段階を迎えていることを示唆するが、その点でも先週分の外国人の先物+現物合計がどれだけ増えているかが特に注目される。
「NT倍率」が直近でそれまでの最高値を付けたが2025年10月31日週15.73倍で、25年10月25日に高市総理誕生を囃して日経平均「5万円」の節目を突破した。そして、その時期も外国人の先物+現物合計の買越額が当時のピーク水準だった25年10月20日週55.7兆円まで買い上がっていた。
今回の「6万円」の節目を突破する時期に「NT倍率」がこれまでの最高値が更新したことは当時と共通しており、「ノックアウト債」などの仕組債や「スックオプション」など日経平均「60000円」を狙った商品のために外国人の投機筋が吊り上げたことが原因とも考えられる。過去最高を更新した「NT倍率」は外国人の投機筋が先物主導で株価指数だけを不自然に吊り上げたことを示しており、一旦、ピークを打つと、急降下しやすいことの特徴があることは忘れないことである。



