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第369回:日米協調介入 我々が直面する本当のリスクは?

第369回:日米協調介入 我々が直面する本当のリスクは?

我々が直面する本当のリスクは「日米協調介入」そのものではない

2026/8/1時事通信社は『日米、円買い協調介入か 28年ぶり、円安阻止へ異例の連携』を報じている。

『7月31日のニューヨーク外国為替市場で、円相場が一時1ドル=157円台前半に大幅上昇した。前日には政府・日銀が円買い・ドル売り介入を実施。その後乱高下が続く中、米通貨当局も介入に加わったとの見方が出ている。

日米当局による円買いの協調介入は、日本の金融危機のアジア通貨危機への波及が警戒されていた1998年6月以来、約28年ぶり。円安・ドル高阻止へ、日米が異例の連携を強めている。

政府・日銀は7月30日に約3カ月ぶりの介入を実施。米当局も金融機関に為替相場の水準を照会するレートチェックを行い、162円台後半から157円台に5円近く円相場は上昇した。その後は160円超に戻り、断続的な急騰とじり安を繰り返す荒っぽい展開が続いた末、31日のニューヨーク市場で再び157円台に上昇した。

米当局関係者は同日、取材に対し米財務省が円相場に介入する可能性を複数の金融機関に伝えたと明かした。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、同省がユーロを売って円を買う介入を実施したと報道。ロイター通信は、閣議中に撮影されたベセント財務長官のメモ帳に、50億~100億ドル(約7900億~1兆6000億円)の円買いを示唆する記載があったと報じた。
一方、日本政府関係者は8月1日、「タイミングを見て対応している」と述べ、政府・日銀による断続的な介入を示唆。7月30日の介入は6兆円超と推計されるが、連日の介入でさらに膨らみそうだ。(途中略)』

ドル円相場は週明け8月3日、155.2円と5月6日155.01円以来、約3カ月ぶりの円高・ドル安水準まで円高が急速に進んでいる。8月2日に日米両政府が7月31日の外国為替市場で円買いの「協調介入」を実施したことが明らかに なったが、「協調介入」は1998年のロシア危機やLTCM破綻などの金融危機時や2011年の東日本大震災と前例はあるものの極めて異例。2011年は東日本大震災直後に急速な円高・ドル安が進み、円売り・ドル買いの「協調介入」を行うなど、過去の日米による「協調介入」は金融危機や大災害などで為替が急変動した際に限られていたからである。今回の「協調介入」は「危機的状況」ではない異例のタイミングで行われたが、ドル円相場は7月下旬に1ドル164円に迫り、およそ40年ぶりの歴史的安値水準にあるなか、7月30日に高市首相が消費税率の引き下げの方針を正式発表し、そのタイミングで為替市場が円安に振れることを予め想定し、日米両政府は歴史的な円安阻止で介入を準備していたのかもしれない。30日にベッセント氏が「円は非常に過小評価されており、極めて安い」と語ったと伝わり、米政府が日本の介入を後押しするのは、投機的な円売りによる円安が日本の債券安と相まって米国の債券市場に波及、米金利を押し上げるリスクを警戒したためで、ある意味、金融危機は米国の水面下で始まりかけているのかもしれない。 5月のリアルセミナーにおいて『米国が協調しなければ、 円はより速く下落し、日銀は金利を引き上げあげざるを得なくなる。その場合、「円キャリートレード」の巻き戻しが一気に起き、 「円キャリートレード」のシステム事態が崩壊する可能性がある。2026年は米国債務39兆ドルのうち、約10兆ドルの借り換えをしなければならず、ベッセント財務長官は「円キャリートレード」のシステムを生き残させて、米国の債券市場を守ろうとしたのだろう 。イングランド銀行は270億ポンドの準備金を1日で使い果たし、ポンドは1日で15%下落した1992年の「ポンド危機」の経験者からなのか。』と指摘した。

日本当局は7月30日、冒頭の記事にあるように約6兆円規模(推計)の円買い介入を実施したとみられ、さらに翌31日には、米財務省がニューヨーク連銀を通じ、「ユーロ売り・円買い」という特殊なルートで協調介入に動いたと報じられている。あえてドルではなくユーロを売った背景には、ドルの覇権(ドル高)を維持しつつ円安を牽制したいベッセント米財務長官の意図が見え隠れするが、ロイター通信は、同日の閣議に出席したベッセント米財務長官の机上に50億~100億ドル(約8000億~約1兆6000億円)の「日本円の購入」と書かれたメモがあったと伝えている。1998年の協調介入(米側の介入額は数億ドル程度)を遥かに凌駕する歴史的規模の「日本円の購入」であり、今後はドル円のボラティリティの急拡大には注意が必要だろう。何故なら、1998年の市場混乱はロシア危機やLTCM破綻などが重なった結果だが、当時の円買い介入がボラティリティを急拡大させる一つのトリガーとなった歴史は無視できないからである。

市場では、「日米協調介入」は投機的な円安に対する強力な「速度制限」にはなるものの、高市政権のばら撒きが変わらない限り、「円安」反転は不可能との見方が大半である。だが、過去の「日米協調介入」を振り返ると、1998年が円安トレンドから円高転換に、また2011年が円高トレンドから円安転換にトレンド大転換させた歴史的事実からは今回の「日米協調介入」も円安から円高への転換点となるかもしれない。従って、我々が直面している本当のリスクは「日米協調介入」そのものではなく、円安が永遠に続くと過信し、それを前提に極限まで積み上げられた「円キャリートレードの巻き戻し」なのかもしれない。T-Model理論『ドル円の大台替えの法則』では、155円大台割れで下落スタートとなるため要注目です。

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