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米市場の「株高・低金利・ドル安」の後に訪れるこ

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米市場の「株高・低金利・ドル安」の後に訪れること

2020/4/25日経夕刊に『「リスクの国有化」金に恩恵』が掲載されている。

『米連邦準備理事会(FRB)を筆頭に世界の中央銀行による「リスクの国有化」が加速し、株式相場は下値の堅い局面が続いている。FRBの総資産拡大とゼロ金利政策の長期化で最も恩恵を受けるのは安全資産かつ「無国籍通貨」とされる金相場だ。

FRBは新型コロナウイルス対応でリスクが高い「ジャンク債」も買い入れる。3月以降に発表した緩和政策だけでもバランスシートは国内総生産(GDP)の4割強に相当する9兆ドル(970兆円)以上に膨らむ。追加の緩和政策で今年末時点では11兆ドルまで膨らむとの予想もあり、「総資産の拡大は恒久的なものだ」(米国みずほ証券のスティーブン・リチウト氏)との見方も浮上。こうした動きは金融市場のリスクプレミアムの拡大を抑える。

リスクの国有化で最も恩恵を受けるのは金相場だ。バンク・オブ・アメリカのマイケル・ウィドマー氏は今後1年半の目標価格を1トロイオンス2000ドルから3000ドルに引き上げた。FRBの総資産拡大でドル供給が増え、ドル安が進む。財政支出が急増し、インフレによる法定通貨の価値低下で実物資産の裏付けがある金価格は上昇する。ゼロ金利政策の長期化も金利のつかない金相場には追い風だ。

今年に入り相場が上昇しているのは先進国の国債と金だ。昨年末に2%近くあった米長期金利は0.6%に低下(価格は上昇)。ニューヨーク商品取引所の金先物相場は1割超上昇。7年半ぶりの高値となる1700ドル台後半をつけ、2011年9月の最高値(1923ドル)もみえてきた。「新型コロナという噴霧を大量のマネーで覆い隠す」(ノルディア銀行)政策に打って出た世界の中央銀行。長期的に米市場は株高・低金利・ドル安の様相を強めるとの見方が増えてきた。リスク資産の株式と、安全資産である金相場の同時高が今後強まる場面がありそうだ。』

ドル安・金高はマーケットでは自然な流れである。リスクが高まれば基軸通貨ドルよりもより安全な「無国籍通貨」の金にマネーがシフトするからである。むしろ不自然な動きなのは「ドル安・株高」である。リーマンショック以降、世界のマネーを米国に集めるドル高政策で、そのマネーが米株高を演出しする「ドル高・株高」だったからある。逆に、ドル安は米国からのマネー流出を意味するが、そのようななかでの株高はFRBの資金供給だけが頼りなのである。
FRBは「無制限」の資金供給を表明していることから、冒頭の記事にあるように『長期的に米市場は株高・低金利・ドル安の様相を強めるとの見方が増えてきた』は当面続くだろうが、「長期的」ではない。本当にFRBが「無制限」の資金供給を長期的に続けられるかがこれから我々が考えておかなければならないポイントだろう。ドルだけを「無制限」に供給し続ければいずれドルの暴落が起きるためで、そうならないためにも日銀を含め他の国の中央銀行がどこまでFRBの資金供給に追随できるかにかかっている。それができなくなった時、ドルの暴落と同時に、マネーの価値の希薄化が現実化して、大きなインフレが起こるのではないだろうか。その時に我々に襲ってくる事態を今からイメージしておかなければならいが、そう遠くない近未来に訪れることになるのではないだろうか。

 

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