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G7サミット開催 日米関税交渉 満足する円相場は?

G7サミット開催 日米関税交渉 満足する円相場は?

『米財務長官の考え透ける重要文書』とは?

2025年6月11日日経新聞に『円安修正、143円では不十分~米財務長官の考え透ける重要文書』が報じられている。

『1ドル=143円前後だった先週時点の相場では円安修正は不十分――。米当局はそんな考え方をしているのではないか。第2次トランプ政権として初となる米財務省の外国為替政策報告書に、そう解釈しうる記述がなされたからだ。年初に157円程度だった円は基調として上昇してきたが、対日貿易赤字の縮小へ米側は一段の「円安正常化」を望んでいるようにみえる。

報告書は円安の修正効果を持つ手段としては、日銀の金融引き締めに言及した。ベッセント米財務長官は為替相場と関連付けた形で日銀利上げに関心を持っているとの情報がかねて流れていたが、それが裏付けられたと考えられる。

米財務省の外国為替政策報告書は原則年2回公表し、他国・地域の為替政策に関する評価を盛り込む。金融政策への言及もなされ、日銀ウオッチャーにとっても重要文書だ。特に、米政権が交代したあと最初の報告書は、新政権発足に伴う変化を反映する点で重みを持つ。トランプ政権に関しては、かねて対日貿易赤字の削減に向け円高を望んでいるとの見方が聞かれてきたが、案の定、5日公表の最新の報告書に重要な記述が登場した。次の部分である。

「日銀の金融引き締め政策は、成長率やインフレ率を含む日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)に対応して継続すべきであり、それはドルに対する円の弱さの正常化と、切望されている日米2国間貿易の構造的なリバランスを支える」(途中略)

報告書のもうひとつのポイントは、円安修正をもたらすものとして日銀の政策引き締め、つまり利上げの継続を挙げた点。引き締めは日本経済のファンダメンタルズに対応して続けるべきだと記しており、為替と直接リンクさせたわけではないが、為替と関連付けているのも事実だ。(途中略)』

3月3日、トランプ米大統領は関税を引き上げる理由を説明する際、 「中国とともに日本が通貨安誘導してきた」と問題視する発言して、「(関税はそれに)迅速かつ効率的に公平性をもたらす」ために導入すると強調した。また、ベッセント米財務長官は4月9日、米FOXビジネスのインタビューで『最近の円高について「自然な流れだ」と発言。日本経済の強さと日銀の利上げ方針』を理由にあげた。4月下旬、日米財務相会談当時の円相場も143円程度だったが、米側からは円高・ドル安が望ましいとの発言が出たとの情報が流れる一方、日本側は否定するなど混乱が起きていた。だが、今回の報告書を踏まえれば、会談当時、米側からは円がもっと高くなった方が望ましいとの発言があった可能性も想像できる。

今週17日に開催されるG7サミットでは、日米関税交渉が行われる可能性が指摘されているが、米国側から円安修正の踏み込んだ要求があるのかが注目される。ただ、米市場のトリプル安(株安、ドル安、債券安)懸念はまだ完全に払拭されていないため、米国側のタイミングで円安修正が要求されると思われるが、そう遠くない日になるのではないか。そして、それは突然、「日銀利上げ観測」がどこからか漏れ伝わるときに起きるだろう。日銀の金融政策はやはり米国の意向が強いことが明らかになったが、果たして、米国側が満足する円相場はどの水準なのだろうか。

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