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PPIがCPIを上回る 米利回り上昇ドル円はどうなる?

PPIがCPIを上回る 米利回り上昇ドル円はどうなる?

11月米国PPIが24ヶ月に11月米国CPIを上回ったが何を示唆?

2024年12月13日日経電子版に『米長期金利、2週間ぶり高水準 インフレ高止まりを警戒』が報じられている。

『12日の米債券市場で長期金利が一時4.3%超まで上昇し、11月25日以来およそ2週間ぶりの高水準を記録した。同日発表の11月の米卸売物価指数(PPI)の伸びが市場予想を上回り、インフレ高止まりを警戒した米国債売りが進んだ。米長期金利の指標になる10年物国債利回りは一時、前日比で0.07%近く上昇(債券価格は下落)した。6日に付けた直近の低水準と比べ、0.2%ほど高くなった。12日は政策金利の動きに敏感な2年債利回りも前日比0.04%ほど上昇した。

朝方発表の11月のPPIは前月比0.4%上昇とダウ・ジョーンズ通信がまとめた予想(0.2%上昇)を上回った。前年同月比の伸び率は2.6%から3.0%に加速した。11日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比の上昇率が2.7%と事前予想通りだったものの、伸びは2カ月連続で加速。一連の物価指標でインフレの高止まりリスクが意識され、米連邦準備理事会(FRB)の利下げシナリオにも影を落としている。

市場は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利下げ実施をなお確実視する一方、2025年はより慎重に利下げを進める展開を想定している。(途中略)FOMC参加者が9月に示した「25年に4回」の中心シナリオよりも利下げ回数が少なくなると見る市場参加者が多く、こうした見方が米国債利回りの上昇を誘った。(途中略)』

この記事で注目すべき点は、11月PPIが前年比3.0%に対し、11月CPIが前年比2.7%と、PPIとCPIの伸び率が「逆転」したことである。実は、21年1月にPPIとCPIの伸び率が「逆転」して以降、22年6月PPI+11.3%、22年6月CPI+9.1%のピークまで急上昇、逆に、22年12月にPPIがCPIの伸び率が下回る逆の「逆転」が起きて以降、PPIは23年6月+0.1%、CPIは24年10月+2.4%まで低下した。つまり、今回のPPIとCPIの伸び率「逆転」は21年1月の「逆転」のように先行きCPIが大きく上昇する可能性を示唆していることになる。仮に、この仮説が正しいとすると、「25年に4回」のFOMCの利下げ回数は大幅に減少するどころか、利上げの可能性さえも否定できなくなるかもしれない。

そのようなことが現実化すると2025年のドル円相場はどうなるだろうか。前述のCPI、PPIの動きからは米長期金利上昇でドル高となりそうだが、製造業の復権を訴えるトランプ次期大統領は人為的なドル安誘導に動く可能性も否定できない。T-Model理論では、ドル円相場は「40年サイクル」で動いているが、何と2025年は1985年「プラザ合意」から40年目を迎え、第二の「プラザ合意」によるドル安誘導の可能性が高い。これまでのところドルインデックスはトランプが初めて勝利した2016年後半の動きをなぞっており、仮に、トランプ第1期政権の通りなら、年明けからはドル安に転じることを示唆するが、どうなるだろうか。米有力金融機関の円相場予想は、来年末1ドル=138円~160円と見方が大きく分かれている。

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