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第377回:金利上昇局面 敬遠される金と暗号資産

第377回:金利上昇局面 敬遠される金と暗号資産

『明暗分ける金と仮想通貨』

2026年9月30日日経夕刊に『明暗分ける金と仮想通貨』が掲載されている。

『代表的な米10年物国債利回りは一時5.29%と2007年6月以来、約19年ぶりの水準で推移した。金利の上昇局面で敬遠されがちなのが、金(ゴールド)と暗号資産(仮想通貨)だ。両資産とも金利を生まないため、資金流出につながりやすい傾向がある。しかし足元では、この2つの資産で明暗が鮮明になりつつある。(途中略)ビットコインは上昇基調を維持する一方、わずか1週間で金は失速。両者の値動きが乖離(かいり)し始めた。同じ無国籍通貨でも、なぜここまで評価が分かれているのか。(途中略)金価格は高止まりする金利が重荷となり、下押し圧力が強まっている。(途中略)

分析プラットフォームのディーファイラマ(Defilama)では、ビットコイン関連の上場投資信託(ETF)における週間の純流入額は9月27日までの1週間で約24億ドルと、25年10月以来の高水準となった。ビットコイン価格は8月19日比で2割ほど上昇しており、データ分析サイトのコングラスによると、価格は7~9月期に4割超上昇と24年10~12月期以来の高水準となった。(途中略)』

2026/06/15『史上最高値から23%の急落している金価格は何を示唆しているのか?』のT-Modelコラムにおいて、

『金価格は今年1月29日に付けた史上最高値5262ドルから-23%の急落している。冒頭の記事にあるように、イラン戦争の緊張と前々週末に米労働市場の強さを確認したことで米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切るとの観測が強まり、保有しても金利の付かない金が一段と売られていると分析している。

だが、金の下落は2008年の「リーマン・ショック」で市場が混乱に陥った時期にもよく似ている。当時、金価格は一時2008年3月に900ドル台まで上昇した後、10月には600ドル台まで約-30%急落した。米リーマン・ブラザーズが破綻申請したのは9月15日だが、株価下落が加速した10月以降も金も売られた。水面下で起きていた金融危機で2008年3月以降、損失の穴埋めや追加証拠金(追証)発生で必要になった現金を確保するため金が売られたかたち。つまり、金を売って手元資金を確保する動きが見られ、実際、「ドルインデックス」は2008年2月安値73.6から11月高値89.2まで+21%の急上昇となっていた。現在もイラン戦争開始後に付けた2026年3月100台を先週6月11日高値100.3と再び付けて、高止まりしている。

だが、当時と異なるのはまだ株高が続いている点だが、株式市場に先行する傾向の強い「ビットコイン」は25年9月12万ドル台から26年6月6万ドル割れまで約50%暴落している。ちなみに、2008年9月の「リーマンショック」後、NY先物価格は2008年10月の600ドル台をボトムに2011年7月に当時の史上最高値1900ドル台と2.8倍に急騰している。仮に、2008年と同じ理由で金が下落しているとすると、水面下の危機が表面化したあと、金は急騰することになるが、どうなるだろうか。「ビットコイン」がボトムを付ける可能性が高い今9月頃にその答えが分かりそうである。』と指摘した。

冒頭の記事で重要なのは『金利の上昇局面で敬遠されがちなのが、金(ゴールド)と暗号資産(仮想通貨)だ。両資産とも金利を生まないため、資金流出につながりやすい傾向がある。しかし足元では、この2つの資産で明暗が鮮明になりつつある。ビットコインは上昇基調を維持する一方、わずか1週間で金は失速。両者の値動きが乖離(かいり)し始めた。同じ無国籍通貨でも、なぜここまで評価が分かれているのか。』である。

その答えとも言うべきデータが先週、公表されている。『世界の金ETF保有量は約1億オンスに達し、少なくとも9ヶ月ぶりの高水準に近づいている。金保有量は7月の安値から400万オンス以上増加し、4月から7月にかけての減少分をはるかに上回っている。最近では、金ETFに8日連続で資金流入があり、2025年10月以来最長の連続記録となっている。一方、金価格は今年8月中旬まで金ETF保有量とほぼ連動して推移していた。したがって、金価格が最近の保有量増加に追いつけば、今後数ヶ月で5,000ドルを超える可能性がある。投資家は加速したペースで金ファンドに資金を投入している。』と報じられている。

つまり、金の需要は依然強いものの、何らかの理由で金が売られているというということで、T-Modelが以前から指摘してきた『水面下で起きていた金融危機で2008年3月以降、損失の穴埋めや追加証拠金(追証)発生で必要になった現金を確保するため金が売られた』が再現されている可能性が高まっている。

その場合、『2008年9月の「リーマンショック」後、NY先物価格は2008年10月の600ドル台をボトムに2011年7月に当時の史上最高値1900ドル台と2.8倍に急騰している。』を参考にすると、「〇〇ショック」のような危機が発生した直後に金への投資タイミングが到来することになるのではないだろうか。

また、2026/08/10『金の再騰はいつから始まるのか?』のT-Modelコラムにおいて、

『記事では、ドルインデックスと金に逆に動くかのような説明があるがほとんどその関係はみられない。NY金価格と逆相関の関係にあることを発見したT-Model理論『NYダウ/NY金』である。 『NYダウ/NY金』は26年3月2日週9.2倍まで急落した後、7月13日週13.0倍までリバウンドして、その期間、NY金は調整していたことを示す。以前から、何度も説明してきたが、現在によく似ているのが、2008年3月10日12.0倍から2008年9月8日週15.0倍まで約半年間リバウンド期間で、その後、9月15日にリーマンショックが起きて、2011年8月15日週5.8倍まで急落する過程で、NY金は約1900ドルの史上最高値まで急騰した。約半年の調整期間はリーマンショック前に水面下で危機が始まり、金を売却することでドルキャッシュを作って危機に対応していたためである。このリーマンショック時を参考にすると、調整期間は9月頃までで、冒頭の記事にあるように早くも動き始めたのかもしれない。ただ、金が本格的に急騰するのは今回のボトムである26年3月2日週9.2倍を割り込む時に始まるのではないだろうか。』と指摘した。

今年3月以降のNY金の動きとT-Model理論『NYダウ/NY金』を振り返ると、「リーマンショック」が起きる半年前の08年3月以降の動きによく似ていることが分かる。若干の時間的ズレは中間選挙を意識したトランプ政権による強引な株価吊り上げの影響によるもので、その反動が表れる時期が近づいているようにも見える。焦点は11月3日の「中間選挙」まで「株価買い支え」が維持できるかどうかにあるのではないだろうか。トランプ第一期政権の中間選挙の年も「株価吊り上げ」が行われていたが、中間選挙を前に株価は息切れし、年末まで下げ続けたからである。

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