塚澤.com最新ニュース

Home » 『株式相場の急落は起きるかどうかではなく、いつ起きるかが問題』

『株式相場の急落は起きるかどうかではなく、いつ起きるかが問題』


『株式相場の急落は起きるかどうかではなく、いつ起きるかが問題』

2023年4月20日ブルームバーグニュースで『米株強気派、過去100年の景気後退を度外視-相場急落は時間の問題か』を報じている。

『米国株はリセッション(景気後退)を切り抜けると予想する強気派の大合唱は、歴史を指針とするなら、間違いのようだ。楽観主義者は株式相場について、2022年に今サイクルの安値を付けており、今年あるいは来年早期の景気縮小は株価持ち直しを鈍らせるだけだという。相場動向はこうした見方を裏付けており、S&P500種株価指数は年初から8%余り上昇し、3月のシリコンバレー銀行(SVB)破綻を受けた下げ局面から、急速に巻き返している。しかし、1929年以降に米国が陥ったリセッション全てに目を向けると、株式相場の急落は起きるかどうかではなく、いつ起きるかが問題だということが示唆される。過去約100年に、景気が縮小局面に入った後で新たな底値を付けるのを回避したという例は一度もない。相場が底打ちするのは、リセッションが始まってから平均で9カ月後であることが、ブルームバーグ・ニュースがまとめたデータで示されている。

JPモルガン・チェースのストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏は「緩やかなリセッションであっても、安値を再び模索することが正当化されるだろう」と指摘。これは少なくとも15%下落することを意味すると、同氏は17日付のリポートに記した。株式市場とは対照的に、短期金融市場はリセッションのシグナルを発しており、景気後退確率を示すニューヨーク連銀のモデルは60%に向かって上昇している。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータによれば、マイナス成長が2四半期続くというのがコンセンサスの見通しだ。

アンドルー・ガースウェイト氏らクレディ・スイス・グループのストラテジストは「リセッションが始まる前に相場が底を付けたことはこれまで一度もない」と18日付リポートで指摘。24年1-3月(第1四半期)までに米国がリセッションに陥る確率を80%とみている。』

この記事での重要な指摘は『1929年以降に米国が陥ったリセッション全てに目を向けると、株式相場の急落は起きるかどうかではなく、いつ起きるかが問題だということが示唆される。』である。相場の底打ちのタイミングを計るため、過去約100年の長期データで米国経済と株式市場を調べると、「景気後退局面入りする前に相場が底を付けたことはこれまで一度もない」「リセッションから株価のボトムまで平均9ヵ月のタイムラグ」との分析結果である。

当然と言えば、当然の結果なのだが、最近は無秩序な金融政策と大量のマネーの供給によって「実体経済」を無視した相場操縦が続いてきたことで「強気派」が増えているが、この「100年間」の重みある分析結果はそのような人々へ警告となるのではないだろうか。可能性はゼロではないだろうか、それを覆すことはかなりのエネルギーが必要なことは間違いない。

ただ、一つの問題はこのリセッション認定のタイミングが遅れることである。そのため、相場がボトムを付けた後に「後出しじゃんけん」のようにリセッション入りを認定される可能性も否定できないことだろう。そのため、リセッションと最も関連性の深い経済データで毎月チェックしておく必用で、それは「失業率」など雇用関連指標なのである。

今回の局面での最善の「失業率」は2023年1月3.4%で、1969年3月3.4%以来、約54年振りの歴史的な低水準を付け、直近23年3月3.5%と歴史的低水準を維持する。1948年以降の「失業率」を調べると、すべてのリセッションの期間において、100%の確率で「失業率」が上昇し続けている。従って、記事では『24年1-3月(第1四半期)までに米国がリセッションに陥る確率を80%』と指摘しているが、現在の「失業率」をみる限り、その可能性は極めて低いことになる。

では、何をきっかけに「失業率」が上昇し、リセッション入りする可能性があるのだろうか?こちらも1965年以降の長期のデータを調べると、「失業率」が上昇するきっかけは、ほぼ100%の確率でFOMCでの「金利引き下げ」となっている。今回も市場が期待するFOMCの「金利引き下げ」が、逆に、リセッション入りの契機となるのかが注目される。

塚澤.comの会員向けサービス
会員向けサービス
会員向けサービス
Tsukazawa.com Premium Contents

塚澤.comの有料会員向けサービス(「今週のT2経済レポート」定期購読のお申し込み)では、T2レポートの配信の他にも様々な会員特典をご用意しております。

無料会員登録をしていただくと、一部会員向けコンテンツの閲覧やメルマガの購読をご利用いただけます。

セミナーのご案内

【受付終了】御礼:2月17日:「生活防衛の教室 」2024年予測Webセミナー終了しました。

【受付終了】御礼:11月18日:「生活防衛の教室 」第600回記念Webセミナー終了しました。

【受付終了】御礼:8月19日:「生活防衛の教室 」 Webセミナー2023年夏終了いたしました。

【受付終了】御礼:5月20日:「生活防衛の教室 」 Webセミナー2023年春終了いたしました。