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アマゾンショックと「マネーショート」のバーリ氏の予測


アマゾンショックと「マネーショート」のバーリ氏の予測

2022年6月25日日経夕刊に『分水嶺迎えるアマゾン株』が掲載されている。

『ネット通販の米アマゾン・ドット・コムの株価が分水嶺を迎えている。米国の消費を大きく取り込む企業だけに、今後の値動き次第では投資家心理が一段と冷え込む可能性がある。 市場ではアマゾン株への注目が高まっている。ダウ平均と同様に戻りを試す展開となっているが、チャート上で売りサインを示す「ヘッド・アンド・ショルダー」が形成されつつあるとみられているためだ。アマゾン株は6月6日の高値(128.99ドル)を5月17日の高値(115.80ドル)と6月24日の高値(116.71ドル)で挟み、人間の上半身のような軌跡を描いている。直近の「右肩」はここ数日で形成され、6月24日は116.46ドルで終えた。今後再び弱含み「首」の部分にあたる100ドル強の水準に接近する展開になれば「アマゾン株はかなり弱気になる」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)と分析されている。

アマゾンは米国の消費を支える大企業で、その業績や株価は個人消費の強弱を映し出す。株価が下値模索となれば投資家心理に与える悪影響は大きい。逆に上昇が続けば心理改善に寄与しそうだ。アマゾン株は相場全体にとっても重要な局面にさしかかっている。米国の経済指標は消費意欲の減退を示す。24日発表の6月の米消費者態度指数(確報値)は50.0と速報値(50.2)から下振れし、前月(58.4)から急低下した。統計開始以来で最低となった。歴史的な高インフレに直面し、人々は積極的な消費を控えるようになっている。

(途中略)

消費の先行きに対する市場の目線は厳しい。投資家心理を測る指標の一つとして、アマゾン株の値動きは注視しておいた方がよさそうだ。』

アマゾン株の対NYダウの相対株価は2014年以降の上昇トレンドを直近で割り込み、崩れやすいかたちとなり始めている。その『アマゾン・ショック』をお伝えしたのが、2022/05/02『伸び悩む「巨人」 広がる失望』のT-Modelコラムで、

『29日の相場急落の震源となったのはアマゾン・ドット・コムだ。一時は前日比15.9%下げた。前日夕に発表した22年1~3月期決算で営業利益が前年同期比59%減と市場予想を下回り、失望売りが殺到した。「配送費や人件費などがかさんだ。過剰な人員と設備も重荷だった」。アマゾンのブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は営業減益の理由をこう説明した。だが、それが主要因ではない。1~3月期の営業費用は13%増にとどまり、むしろ同社としてはかなり低い伸びだ。減益は売上高が7%増と20年ぶりの低さだったのが主因だ。かつてのように20~30%の増収なら楽々増益を達成していたはずだ。経済の正常化に伴って消費が旅行や外食などサービスに移り、追い風だった「巣ごもり消費」がやんだ。 (途中略)

その指摘は次の週に『アマゾン・ショック』というかたちで表面化して、「ND倍率」は4月25日週0.374倍へとさらに低下させた。同比率は2000年の『ITバブル』崩壊の時のようにここからさらに低下することが予想されるが、それは冒頭の記事にあるような巨人が『○○ショック』となって今後、さらに増えてくることを意味するのである。』と指摘した。

冒頭の記事にある『24日発表の6月の米消費者態度指数(確報値)は50.0と速報値(50.2)から下振れし、前月(58.4)から急低下した。統計開始以来で最低となった。』とあるが、以前にも紹介したように、T-Model分析では「米消費者態度指数とNYダウ(前年比)」の連動性が高く、過去最低まで落ち込んでいる『米消費者態度指数』は米株の将来に何を示唆しているのか?を考えるべきだろう。

2021/08/23『「世紀の空売り」対「ハイテク株の女王」』のT-Modelコラムでご紹介したマイケル・バーリ氏は『S&P500は、2009年の底は2002年の底の13%下で、2002年の底は1998年(LTCM危機)の底の17%下で、1975年の底は1970年の底の15%下。そのパターンが再現されると2020年を底と考えれば1800あたりまで下がる可能性があり、天井から指数が55%程度下落することになる。』と予測している。

バーリ氏は『今回の暴落はまだまだ始まったばかり』と6月の段階で述べているが、日本では唯一無二のT-Model分析『2つのバブル崩壊』という予測にかなり近い考え方ではないだろうか。バーリ氏も『2021年から株式暴落を予想』していた点は、拙書『暴落はまだ終わっていない!』のT-Model予測と共通している。御存知かもしれないが、バーリ氏は2001年と2008年の相場崩壊を予想し巨額の利益をあげ、ベストセラーとなった米作家マイケル・ルイス著のノンフィクション「世紀の空売り(The Big Short)」で取り上げられて一躍有名になった。日本でも「マネーショート」というタイトルの映画で放映されている。ちなみに、T-Modelコラムで紹介した「世紀の空売り」対「ハイテク株の女王」の結果はバーリ氏がキャッシーウッド氏を圧勝して終わっているが、次の興味は、現在3911のS&P500がバーリ氏が予測する1800にいつ到達するか?ではないだろうか。T-Model予測と一致するときがそれが現実化する瞬間ではないだろうか。

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