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リーマン危機 10 年

リーマンショック

『リーマン危機 10 年』

日経新聞が 9 月 9 日から『リーマン危機 10 年』の特集をスタートした。第 1 回目は『当事者の証言』で、「日曜になってもどれを発表することになるのかわからなかった。想像を絶する苛烈(かれつ)な時間だった」「米連邦準備理事会(FRB)から融資を受けるのに十分な担保を持っていた。のちの専門家の調査でも証明されている」「危機の本質はリーマンの経営問題ではない。様々な主体の『レバレッジ』(借金による投資)だ」「FRB が 06 年に利上げをやめたのをみて、経営幹部はさらにリスクをとるよう指示した。実態は不動産投資ファンドだった」

また 2018 年 9 月 7 日『リーマン年の出来事は、簡単に取引できるものは今後もそうであり続けると信じることに本当の危機が宿っていることを教えてくれた。
なぜならば危機が生じれば、容易な取引などなくなるからだ。

3.長期の安定は過剰な判断を招く
経済学者の故ハイマン・ミンスキー氏の考え方は、金融危機後に再び持てもてはやされた。同氏が提唱した投機的なサイクルがほぼ現実のものになったからだ。2001 年のわずかな期間をのぞき、当時は景気拡大が長期にわたって続いたため、多くの人は現状に満足していた。誰もがローンを組もうとし、銀行もやや積極的すぎるほどに融資した。これが資産価格の上昇と強い経済を生む素晴らしきサイクルとなった。だがそのサイクルが逆回転し始めた時に借金を返済する必要が生じ、それが資産価格を暴落させ、深刻な景気後退を招いた。

4. 金融イノベーションは頻繁に破綻する
経済史学者の故チャールズ・キンドルバーガー氏は歴史を通し、資金や信用供与を抑制するために規制をしても、それをかいくぐって無謀な貸し出しが続けられてきたことを記録している。陶酔する投資家や企業からの資本や融資への需要は、イノベーションによって金融システムがそれを満たしてきた。

5.今回こそという考え方は、大抵の場合で間違えている
証券化やデリバティブによってリスクを他社に振り分けたため、銀行はより安全になったと 2007~2008 年頃には考えられていた。だがこれは状況を改善するのではなく、リスクがどこに隠れているのかを見えにくくするものであり、結果的に誰もが最悪の事態を予測するようになった。
米経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスは 1975 年に、その壮大な著書「The GreatCrash 1929(大暴落 1929)」の序文でううまくまとめた:「金融面での錯覚や狂気の予防には、法整備よりも人の記憶の方がよっぽど効果的だ。1929 年に生じた大惨事の記憶が消えた時、法や規制はもはや意味をなさなかった」。多くの投資家が 2007~2008 年の出来事を振り返れば振り返るほど、あのような出来事が繰り返される可能性は低くなる。10 年の節目が訪れたにもかかわらず、その記憶が薄れていることを筆者は懸念する。

「多くの投資家が 2007~2008 年の出来事を振り返れば振り返るほど、あのような出来事が繰り返される可能性は低くなる。」は特に重要な教訓だろう。下手な楽観論は禁物で、その点からは日経新聞の特集やウォルストリートジャーナルは重要な意味がある。

拙書『そしてフェイク経済の終わりが仕組まれる』の第 7 章『先行指標を探せ!』の『危機領域となる「Gold・
Silver レシオ」80 超え』(P193)を紹介しているが、こ「Gold・Silver レシオ」は直近 8 月、83 まで上昇し危機領域に突入している。「トルコ・ショック」を含めすでに何かの危機が世界的に発生しているのだろうが、このまま上昇し続けるようだと、その先には大きな危機が表面化してくる。91 年 02 月は日本のバブル崩壊とベルリンの壁崩壊・ソ連崩壊、03 年 5 月はアジア通貨危機、IT バブル崩壊、9.11 同時多発テロ、08 年 9 月はサブプライム危機・リーマン・ショック、と「Gold・Silver レシオ」がピークを付けにいく過程で危機は起きている。同指標からは目が離せない段階を迎えている。

ンドを見つけ出し、株取引で学び適応しリターンを挙げられる AI システムの秘密トレーニングに主に費やした。
テクノロジー業界のベテランで構成する同社のチームは AI 活用によってウォール街のプロに対して優位に立てると見込んでいる。ブリッジウォーター・アソシエーツやポイント 72、ルネッサンス・テクノロジーズなど伝統的なヘッジファンドは先端技術に資金を投じ、アイデアを生むのに AI を利用するところも多いが、トレーディング全体を任せるというのは異例だ。

同社のチームはアマゾン・ドット・コムやアップル、グーグル、マイクロソフトなどテクノロジー企業のベテランで構成。コンピューターが自ら理解を深めていくマシンラーニング(機械学習)やデータサイエンスの金融市場への応用を目指す、シリコンバレーのグループの一角と言える。AI を活用するヘッジファンドとしてはほかに、ヌメライやエマなどが誕生している。

センティエントは今のところ自己資金のみ取引しているが、その動向は金融界や AI 業界が注視している。同社には香港の富豪、李嘉誠氏が所有するベンチャーキャピタルやインド最大の財閥、タタ・グループなどがこれまでに1億 4300 万ドル(約 160 億円)出資している。同社は内部ベンチマークを上回る成績を AI システムは挙げているとするが、ベンチマークの詳細は明らかにしない。年内に外部から投資資金を募る計画だという。』

2016/10/11『「人間はますます機械に換わる」』の T-Model コラムでは、
『「人間はますます機械に換わる」』、『「投資家は科学者と芸術家に二分されていく」』。この 2 つ文章はとても印象的であり、投資の世界だけでなく、あらゆる分野に於いてもこの流れは広がっていくことが予想される。つまり、あらゆる先端分野の仕事は、AI によって機械に置き換わり、人間に残された仕事はローテク分野という近未来が待っているのかもしれない。』、

2016/11/7『あなたはいつまで AI を使う側でいられるだろうか?』の T-Model コラムでは、
『AI を使う側にいられる間は AI は人間の良きパートナーだが、AI を操れず使われる側に回さざるを得ない人は AI に淘汰される厳しい時代が待っている。今回の記事では、既に AI に使われる人間が始まっていることを紹介しており、AI が人間の良きパートナーでいる期間はそれほど長くはないことを感じさせる。2045 年まで待たなくても 10 年~20 年後の近未来と考えた方が良いのではないだろうか。

人間にとって神にも悪魔にもなり得る AI は人間に新たな価値観を醸成し、人類の歴史を大きく変えることは間違いないだろう。
そして、それは今以上にデジタルの世界で生きる人間とアナログの世界でしか生きられない人間を二分し、新たな格差を作る起爆剤になることは避けられない。新たな産業革命が始まろうとしているのである。』と指摘した。

今回の 2 つのニュースはあらゆる仕事が AI によって機械に置き換わり、人間の経験は AI には勝てないことを示している。新興ヘッジファンド「センティエント」のサンフランシスコにあるオフィスの壁には「ターミネーター」のように AI が人間のように振る舞う世界を描く映画のポスターがところどころ貼られているらしいが、その映画の世界が現実の社会となり始めている。
いよいよ「デジタルの世界で生きる人間とアナログの世界でしか生きられない人間を二分し、新たな格差を作る」時代が迫っている。

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