塚澤.com最新ニュース
Home »
第362回:金価格史上最高値から急落 何を示唆しているのか?
第362回:金価格史上最高値から急落 何を示唆しているのか?
史上最高値から23%の急落している金価格は何を示唆しているのか?
2026年6月12日日経新聞は『金、7カ月ぶり安値~一時4020ドル台、米利上げ観測で』を報じている。
『金(ゴールド)価格が11日に年初来安値を更新した。米国の利上げ観測が強まり、金利の付かない金の投資魅力が薄れるとみる売りが拡大。12日に米スペースXの巨大IPO(新規株式公開)を控え、話題性のある株式に資金を移す動きもあるようだ。
金価格の国際指標の一つロンドン現物価格は11日アジア時間の取引で、一時1トロイオンス4020ドル台と、2025年11月以来の安値を記録した。(途中略)金下落の主因は、米連邦理事会(FRB)の利上げに対する警戒感だ。起点は前週末の5月の米雇用統計だ。市場予想を上回る内容で、米経済は堅調との見方が拡大。10日公表の5月の米消費者物価指数(CPI)は前年比4.2%上昇と3年振りの伸び率となったほか、中東混迷に伴う資源価格高騰がインフレを加速させるとの不安もあり、FRBが物価上昇を抑えるために利上げに踏み切るとの予想が勢いを増した。(途中略)スペースXのIPOも金売りの一因とみられる。同社の調達金額は750億ドル(約12兆円)規模だ。(途中略)』
金価格は今年1月29日に付けた史上最高値5262ドルから-23%の急落している。冒頭の記事にあるように、イラン戦争の緊張と前々週末に米労働市場の強さを確認したことで米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに踏み切るとの観測が強まり、保有しても金利の付かない金が一段と売られていると分析している。だが、金の下落は2008年の「リーマン・ショック」で市場が混乱に陥った時期にもよく似ている。当時、金価格は一時2008年3月に900ドル台まで上昇した後、10月には600ドル台まで約-30%急落した。米リーマン・ブラザーズが破綻申請したのは9月15日だが、株価下落が加速した10月以降も金も売られた。水面下で起きていた金融危機で2008年3月以降、損失の穴埋めや追加証拠金(追証)発生で必要になった現金を確保するため金が売られたかたち。つまり、金を売って手元資金を確保する動きが見られ、実際、「ドルインデックス」は2008年2月安値73.6から11月高値89.2まで+21%の急上昇となっていた。現在もイラン戦争開始後に付けた2026年3月100台を先週6月11日高値100.3と再び付けて、高止まりしている。
だが、当時と異なるのはまだ株高を続いている点だが、株式市場に先行する傾向の強い「ビットコイン」は25年9月12万ドル台から26年6月6万ドル割れまで約50%暴落している。ちなみに、2008年9月の「リーマンショック」後、NY先物価格は2008年10月の600ドル台をボトムに2011年7月に当時の史上最高値1900ドル台と2.8倍に急騰している。仮に、2008年と同じ理由で金が下落しているとすると、水面下の危機が表面化したあと、金は急騰することになるが、どうなるだろうか。「ビットコイン」がボトムを付ける可能性が高い今9月頃にその答えが分かりそうである。



