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前年比ベースで28 ヶ月振りにプラス転換した「2020 年8月景気ウォッチャー調査」

前年比ベースで28 ヶ月振りにプラス転換した「2020 年8月景気ウォッチャー調査」

内閣府は20年9月8日、「2020年8月景気ウォッチャー調査」を発表。同指標は株価の1~2ヶ月先行指標で政府統計では最も有効。

2020年8月「街角景気」の「現状判断DI」は前月比+0.0%Pの41.3%(原数値)と、実質4ヶ月連続改善。水準は景気の別れ目となる50%を28ヶ月連続で割り込んだが、感染拡大前の今年1月40.6%の水準を2ヶ月連続で超えた。前年比ベースでも+0.7%Pと、18年4月以来、28ヶ月振りにプラス転換した。Go To Travelキャンペーンなどの宿泊補助金制度を背景に、露天風呂付き客室を始め単価の高い部屋の稼働が良いほか、特別定額給付金で10年前の家電エコポイント制度の際に購入された冷蔵庫や洗濯機が買換え時期を迎え、よく売れているようである。新型コロナウイルスに関しては現状で584件(前回月661件)、先行きで871件(前回月956件)と凄まじい言及数は変わりないが、先月よりはやや低下している。尚、メディアでは、2016年10月分から発表を開始した「季節調整値」を使用しているが、現状判断DIは前月比+2.8%Pの43.9%と4ヶ月連続の改善と、原数値と方向感が同じで違和感はない。

T-Modelにおいて「景気判断」に最も重要なのは移動平均との乖離幅で、120年1月-0.3%→2月-10.9%→3月-17.5%→4月-19.4%→5月-9.5%→6月+13.6%→7月+16.7%→8月+16.1%と推移。9ヶ月振りにプラス圏に浮上した6月から3ヶ月連続の大幅上昇で景気が急回復していることを示している。内閣府は「厳しさは残るものの、持ち直しの動きはみられる」と6月上方修正を据え置いた。

2─3カ月先を見る「先行き判断DI」は前月比+5.6%Pの41.0%で、前の月と異なり、改善。景気の別れ目の50%を19ヶ月連続で下回っている。前年比ベースは+1.9%Pと、18年9月以来。23ヶ月振りにプラス圏に浮上した。政府の分科会が「7月末をピークに(新規感染者が)穏やかに減っている」との見解を示した後の調査であり心理的に改善。先行きへの期待が広がった可能性があり、前年比ベースで23ヵ月振りにプラス転換した。尚、「季節調整値」は前月比+6.4%Pの42.4%と、前の月と異なり、改善。景気の別れ目の50%を21ヶ月連続で下回ったが、原数値と同じ傾向で違和感はない。

一方、関東地区の先行きDI(家計関連)は前月比+6.2%P の41.2%と前の月と異なり、改善。景気の別れ目の50%を21か月連続で下回っている。前年比ベースでは+1.9%Pと18年9月以来、23ヶ月振りにプラス圏に浮上した。全国先行きDI(家計関連)40.7%であることから、全国ベースを2ヶ月連続で上回った。ただ、「関東-全国の差(移動平均ベース)」は、20年1月+0.7%→2月+0.6%→3月+0.2%→4月-0.2%→5月-0.5%→6月-1.3%→7月-1.6%→8月-1.6%と推移。新型コロナウイルスの感染拡大で、一時、1930年代の「世界大恐慌」レベルに実体経済が悪化したが、FRBによる驚くような資金供給で3月時点の世界的金融危機を避けることはできたが、4月-0.2と5ヶ月振りのマイナス圏に陥った後、5月-0.5%→6月-1.3
→7月-1.6%%→8月-1.6%%と5ヶ月連続で急落し、新たな世界的金融危機を示唆し始めている。尚、過去、同指標は07年のサブ・プライムローン問題、08年のリーマン・ショック、11年欧州債務危機、15~16年の「チャイナ・ショック」など世界的な金融危機の局面で大きく悪化、それは関東地区が地方に比べ世界の金融危機に左右されやすい経済構造になっているためである。

また、同指標は10ヶ月先の日本の株式市場を占う上でも重要な指標。同指標19年6月までフリーフォールのような急落をみせたことで、株式市場は特に、年末年始頃から要注意の時間帯に入ることを警告し続け、20年の年明けからイラク戦争勃発に始まり、今回の「コロナショック」による「リーマンショック」を超える記録的な株価急落、同指標の「フリーフォール」のような急落を証明した。また同時に、同指標は今年4月をボトムに急上昇していることから、今回の新型コロナのマーケットへの影響が春頃には一旦、一巡し、急速に株価が戻ることを示唆していたが、ナスダック総合指数、S&P500両指数がともに過去最高値を更新したことで、その予告も現実化している。10ヶ月前から同指標は11月の米大統領選挙に向けて株価がもう一段の上昇することを予告しているが、9月14日菅新総裁誕生予定で、噂では早期に衆議院解散・総選挙を実施する可能性が高まっている。仮に、そのようなことになるならばアベノミクス同様、選挙前に株高政策を実行してくるはずであり、この予告も現実化しそうである。ただ、気をつけなければならないのは、大統領選挙を境に、再び、今回のコロナショックのような急落を示唆する危険な時間帯が到来する可能性も示唆していることである。何をきっかけに急落するのか、そして、それが急落調整で終わるのか、それとも暴落に発展するのか。まだまだ先の話だが、今から注意しておく必要があるだろう。

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